リーンキャンバス(Lean Canvas)は、スタートアップのビジネスが失敗する要因を可視化し、改善していくためのマネジメント手法です。
リーンキャンバステンプレートを使う、または自分で作成することで、ビジネスが軌道に載っているかを常に確認できます。
以下ではリーンキャンバスとは、そしてその使いかたについて説明しています。ぜひ参考にしてください。
リーンキャンバスとは
リーンキャンバスは、アッシャ・マウリャが考えた、事業計画を1ページにまとめる方法です。
スタートアップ時は廃業しやすく、取る行動ひとつひとつに注意が必要になります。そこでリーンキャンバスで問題となる点を指摘することで、失敗のリスクを減らすというわけです。
通常のキャンバスには9要素あり、それぞれの構成に対して答えを書いていきます。
フレームワークを作成することで、ほかの社員・メンバーとも問題を共有しやすくなります。
リーンキャンバスの作りかた
リーンキャンバスの要素ごとに枠を作り、答えを書いていくだけです。
左側には、今後の方針について関係のある1、4、7、12を配置し、右側には、お客さんや商品に関係のある2、5、9、11を配置します。
中心にコンセプトや提案の3や10、下部にはコストや収益部分の6、7を載せます。
ただし決まった構成はなく、わかりやすければどんな構造でも可能です。
リーンキャンバスの要素:
- 顧客(Customer segment) – ターゲット層を明らかにする
- 課題(Problem)- ターゲットの課題を考える
- 独自の価値提案(Unique value proposition) – どこで差別化を図れるのか
- 解決策(Solution) – どのようにターゲットの課題を解決できるのか
- チャネル(Channel) – ターゲットとの接点をどのように作るのか
- 収益の流れ(Revenue streams) – 誰からどのように収益を生み出すのか
- コスト構造(Cost structure) – 市場に出すまでのコストはどれぐらいか
- 主要指標(Key metrics)- KPIはどれぐらい?(目標を数値化)
- 圧倒的な優位性(Unfair advantage)- 自社の強みはなにか
あるといい要素:
- ハイレベルなコンセプト(High level concept) -「XのためのY」XとYになにが入るかを考える
- すぐに適応できる顧客(Early adopters) – 理想の顧客とすぐに製品・サービスを使ってくれそうな顧客はどんな人か
- 代替品(Existing alternatives)- 既に同じ製品・サービスはあるか
リーンキャンバスの例
以下は実際に、各項目へ答えたリストです。
例えば、AIの翻訳ツールを開発する会社を立ち上げた場合、以下のようにリーンキャンバスに対して答えます。
- 顧客 – 翻訳を仕事で必要とする翻訳者、起業家
- 課題 – 翻訳が自分でできない。自然な訳が欲しいけど、翻訳者は高くて雇えない
- 独自の価値提案 – すぐに自然な翻訳を出せる
- 解決策 – コストの削減と仕事の効率化ができる
- チャネル – オンラインのウェブサイト
- 収益の流れ – 広告費用1クリック〇〇円で、〇〇PVで〇〇円。会員費〇〇円
- コスト構造 – ウェブサイト運営費〇〇円、開発費用〇〇円、人件費〇〇円
- 主要指標 – 1ヶ月で〇〇件の申し込み
- 圧倒的な優位性 – 自社の強みはなにか
あるといい要素:
- ハイレベルなコンセプト – 翻訳業務を効率化するためのツール
- すぐに適応できる顧客 – 既にAIに触れているユーザー、翻訳ツールを使用しているユーザー
- 代替品(Existing alternatives)- DeepL
リーンキャンバスで会社を軌道に乗せよう
起業すると当時の目標から徐々に行動がずれてしまうことがあります。ただしリーンキャンバスがあれば、軌道を修正しながら、周りの社員と一緒に認識を共有できます。
失敗を恐れずに行動できるためにも、ぜひ活用してください。